愛知育児院

理事長あいさつ

明治19年の創立以来、これまで愛知育児院に寄せられた数知れない多くの方々(個人・団体)の物心両面にわたる温かいご支援は、私たちの大きな支えとなり、励みとなっています。
このお力を得て、私たちはご利用者の命を守り、命の輝きを育む、ご利用者中心のサービスを軸とした福祉事業の推進をさせていただいています。

月に一度、Yさんから託された車のトランクいっぱいのお菓子が高齢者施設に届きます。時に玩具もあります。Yさんは寺のお参り先の独身男性。 10年ほど前に脳出血で倒れて半身不随となり、自暴自棄に陥った時期も。私が語る愛知育児院や東日本大震災の被災地訪問などの話に耳を傾ける中で、Yさんは徐々に周りに目を向け始めた様子でした。

障害を負った自分にも何かできることがあるはず、と気づかれたのでしょう。コツコツ貯めた小銭は私が毎年訪問する被災地の義援金に。
ペットボトルのキャップ、お菓子・玩具はお預かりして愛知育児院に届きます。このように、高齢者介護、児童養護、幼児保育に汗を流す施設職員の苦労に寄り添い、気遣いをくださいますYさん。愛知育児院に心をお寄せいただく、慈しみ深いお一人です。

仏陀(仏教の開祖)、親鸞(浄土真宗の宗祖)が説かれた尊い教えは、大半が一人一人に向き合う中で説かれたと伝えられます。かけがえのない一人を徹して励まし、自他共の幸せをめざす「自他慈愛」にほかなりません。コロナ禍でいま私にできること。それは、自分の命を守ること、他の人の命を守ることです。Yさんの灯火から、また大切な学びをさせていただいています。

社会福祉法人愛知育児院 理事長
寺西伊久夫

センタージャーナル記事抜粋『有縁をひらく』
名古屋御坊9月号記事抜粋
名古屋御坊10月号記事抜粋
名古屋御坊令和4年10月号記事抜粋
中日新聞令和5年8月号記事抜粋
南山の森 第46号記事抜粋
南山の森 第47号記事抜粋
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